切羽詰った

草野さんが担当している新しいプロジェクトが遅れに遅れている。


僕は賛成しなかったシステム開発の遅れで
7月スタートもはっきりいってすごく危うい。
草野さんはなんとなく他人事で、
責任を開発業者に押し付けている。
この業者はやめたほうがいいといったのに、結果これだ。


システムなんてのは多少高くついても有名所のパッケージを購入したほうがいい。
何しろ導入に時間がかからない。
融通は利かなくても、80%くらいの満足度で使える。
実績のあるシステムなら、そのシステムになじむように
自分たちの仕事を変えていったほうが効率がいい。
システムに問題点があればすぐに業者が飛んできて修正してくれるし。


今回の場合、地方の小さな開発業者がゼロから開発したとすると
費用はかなり安く済むってことで
支店長や草野さんは乗り気で、契約をした。
ゼロから開発する場合、こちらから細かな仕様を出してあげないと開発ができない。
なのに、草野さんたら
「このマニュアルにある仕事が始まるから、これができるシステム作って。
A支店とB支店でネットワークを通じて使えるようにして。」
程度の打ち合わせ。
まあ、実際には仕事の流れなど細かなことも話してはいるけど
最近まで帳票類の書式すら決めていなかった。

はっきりいって、これでは業者がまともに開発できるはずがない。
まだ30%程度の進行状況。
本当は去年の11月には試作を終えて、テストに入る予定だったのにまだ、
試作すら見せられておらず、7月からテストなしに運用する予定。
草野さんはそれを放っておいた。
さすがにやばいと思ったのか、納期に関する打ち合わせしたところ
「言った、言わない、そんなこと聞いていない」
の連続で、かなり険悪な雰囲気になった。
だからパッケージ買っておけばよかったのに・・・
この業者がうちの理想的なシステムを作っているとは思えない。
ふたを開けてみれば、なんだこのシステム?
となる可能性はかなり大きい。
複雑なシステムなだけにまともに動くかすら疑問。
まあ、7月スタートは無理だけど・・


僕は以前、この業者に小さなシステムを開発させたことがある。
入力画面などの操作イメージを構成をすべて僕が作って
細かに指示はしたけど、納期は当然遅れるし使ってみればバグだらけ。
僕が使いながらバグ取りしているような状況だったわけだ。
そんな業者、安くても信用できるわけがない。
だから、僕はこの業者をPC導入のときにしか呼ばなかった。
なぜかパソコンは安いんだ、ここ。


さて、仕事の遅れは、1万人以上の顧客に影響する。
なのに、草野さんはじめこの仕事の担当はみんな切羽詰った感がないのにはあきれる。
僕は今直接かかわってないからいいんだけど、ホントすごくやばい状況だと思う。
僕はもう知らない。