やることないんだけど・・

「何かやることある?」とユリさんに聞かれた。
自分の仕事を終えてしまったので何か手伝いましょうか、ということだ。
僕の仕事はデータベースを使ったものが多く、ちょっと知識が要るし、支店の毎月の収支もパートのユリさんに手を出させるわけにはいかない。
それでも、僕の仕事の中から封書詰めなどの単純作業を見つけてユリさんに手伝ってもらうことにした。

そもそも、ユリさんが暇になってきたのはいつも僕が愚痴ってる新プロジェクトに関係がある。
新しいプロジェクトが始まるということでパートを2人増員する計画があった。
「そんなに人はいらないでしょ」と僕が反対したので、増員はノンビリさん一人になったわけだど、浮いた予算でバイトを雇うことになった。
7月からバイトを2人投入し、来月からはもう一人増えるらしい。
バイトにやらせる作業といっても封筒詰めなどの単純作業だけなので、とても3人も必要とは思えない。
プロジェクトの遅れもあって、バイトにやらせる仕事量もさほど多く無く、他の雑務も手伝ってもらっても、かなり時間が余る状況だ。
当然ユリさんに手伝ってもらう仕事も無い。

「バイトさんなんて雇う必要ないんじゃないの?」と草野さんに聞いてみると、
「人件費が一人分浮いたから今年それを使わないと、来年人件費がもらえなくなっちゃうから・・」と公務員のような答えをして歯切れが悪い。
「今要らないなら、止めてもらったら?人件費がもったいですよ。そもそもそんなに人は要らないんじゃないですか?ノンビリさん一人で何とかなりますよ。ユリさんだって手が空いているんだからバイトはいらないでしょう?」と攻めてみても、頭が凝り固まってしまったのか
「来年、人が雇えなくなったら困るから・・・」と繰り返すばかり。
「だから、そんなに人要りませんって。バイトさんにもう要らないと断ればいいでしょう。何のためのバイトですか?要るときにだけ使えるのがバイトのいいところでしょう。不要になったら止めてもらえばいい」と、とどめの一言を言っておいたけど、草野さんは歯切れ悪い返事をするだけ。

新しい仕事を始めるから不安なのはわかるけど、作業量の計算位いしておいてくれよ。